Resultsの目的は、研究により得られた結果を、本文または図表を用いて、論理的に提示することです。研究の主要な結果(主要評価項目、副次的評価項目等)について、有意差の有無などの統計解析の結果を含め、適切に提示することが重要です。
ICMJEのRecommendationsでは、Resultsについて下記の通り、記載されています。
❝Results
Present your results in logical sequence in the text, tables, and figures, giving the main or most important findings first. Do not repeat all the data in the tables or figures in the text; emphasize or summarize only the most important observations. Provide data on all primary and secondary outcomes identified in the Methods Section. Extra or supplementary materials and technical details can be placed in an appendix where they will be accessible but will not interrupt the flow of the text, or they can be published solely in the electronic version of the journal.
Give numeric results not only as derivatives (for example, Percentages) but also as the absolute numbers from which the derivatives were calculated, and specify the statistical significance attached to them, if any. Restrict tables and figures to those needed to explain the argument of the paper and to assess supporting data. Use graphs as an alternative to tables with many entries; do not duplicate data in graphs and tables. Avoid nontechnical uses of technical terms in statistics, such as “random” (which implies a randomizing device), “normal,” “significant,” “correlations,” and “sample.”
Separate reporting of data by demographic variables, such as age and sex, facilitate pooling of data for subgroups across studies and should be routine, unless there are compelling reasons not to stratify reporting, which should be explained.”
【要訳】
結果
本文および図表を用い、研究結果を論理的な流れで提示し、主要または重要なデータをはじめに示すようにする。図表で示したデータのすべてを、本文で繰り返し述べることは避け、重要な所見のみを強調または要約すること。Methodsで取り上げたすべての主要評価項目と副次的評価項目のデータを提示する。補足的な資料や技術的な詳細については、本文の流れを妨げないよう、付録(appendix)とするか、雑誌の電子版のみに掲載することを検討する。
データから導き出した値(パーセンテージなど)のみならず、その計算の元となった実数も記載し、統計的有意性がある場合はその旨明記する。図表は、本文の論旨を説明するもの、またはその根拠となるデータを示すものを、必要最低限に絞って提示すること。データ量が多い場合は、表よりも図を用いるとよい。図と表のデータの重複は避ける。「ランダム(random)(ランダム化の手段を意味する)」、「正規(normal)」、「有意(significant)」、「相関(correlations)」、「標本(sample)」などの統計専門用語を、非統計学的な意味で用いることは避ける。
報告するデータについて、年齢や性別などの人口統計学的変数別に示すことは、研究間で各サブグループのデータの蓄積を促進するため、常に推奨される。層別化を行わない特別な理由がある場合には、説明すること。
Resultsの書き方
前述の通り、Methodsはプロトコール作成段階から書き始めることができるセクションでありますが、ResultsはMethodsの次に書き進めることのできるといえます。学会発表などを行っている場合は、すでにおもな研究結果がまとめられていますので、主要評価項目などの重要な結果から順に組み立てることができます。
臨床研究論文の場合、Methodsで示した項目に準じたヘディング(Patients, Primary endpoint, Secondary endpoints, Efficacy outcomes, Safety outcomesなど)を用いると、読者にとって分かりやすく、論理的な構成となります。
Resultsは基本的に過去形で記載します(本文中で、図表を引用する場合は、現在形を用います)。
チェックポイントと例文
✅ 図表で示したデータは、本文で繰り返し述べず、要約を記載する。
例)
Table 1 shows baseline characteristics of patients in the two treatment groups. There were no significant differences in age, BMI, sex, and smoking status between the groups. The majority of patients had concomitant diabetes mellitus at baseline.
【図表にある数値を重複して述べるのではなく、有意差の有無、傾向などを要約して述べています】
✅ パーセンテージのみでなく、実数(症例数など)を記載する。
例)
The incidence of adverse events was comparable for all treatment groups. During the treatment period, 15.0% (21/140) of patients taking Drug A and 22.5% (30/133) of patients taking Drug B experienced adverse events.
【パーセンテージとともに、括弧内に症例数も記載しています】
※一般に、母数が100例以下の場合は、小数点以下の記載は不要とされています。
✅ 統計的有意差の有無を明確に記載する。
例)
– There was a statistically significant reduction in blood pressure at week 12.
【統計的有意差があった旨を記載しています】
– The incidence of adverse events was comparable for all treatment groups.
【両群に差は無かった旨を記載しています】
『英文臨床研究論文の書き方』(電子書籍版)では、上記のようなResultsで使えるフレーズ・例文を多く掲載しています。詳しくはこちらをご参照ください。