Methodsの目的は、研究をどのように行ったか(研究デザイン、対象、評価方法など)や、どのような手法や資材を用いたか(製品、統計解析手法、解析ソフト等)を明らかにすることであり、これにより、研究が第三者により再現可能なものとなり、適切な評価を受けることができます。
ICMJEのRecommendationsでは、Methodsについて下記の記載があります。
“The Methods section should aim to be sufficiently detailed such that others with access to the data would be able to reproduce the results. In general, the section should include only information that was available at the time the plan or protocol for the study was being written; all information obtained during the study belongs in the Results section.If an organization was paid or otherwise contracted to help conduct the research (examples include data collection and management), then this should be detailed in the methods.”
【要訳】Methodsでは、データにアクセスした者が結果を再現できるよう、方法の詳細を記載する。一般に、研究計画やプロトコールが書かれた当時の情報のみを含め、研究を進める過程で得た情報はすべて結果の項に記載する。データ収集・管理などの研究支援を有償の場合を含め委託した機関がある場合は、本項に記載すること。
Methodsの書き方
Methods は基本的に過去形で記載します(但し、研究デザイン等を図で示す場合は、現在形で引用します)。また、Methodsは研究の計画段階から(少なくともプロトコールが完成していれば)、書き始めることができるセクションです。
以下に、一般的な臨床研究報告において、Methodsに含める項目の例を示します。
✅ 研究デザイン
研究の種類(randomized study、observational study、phase I studyなど)
割り付け方法(randomization、patient matchingなど)
薬剤の投与方法(dose、administration methodsなど)
✅ 倫理的配慮・同意取得(approval of the ethics committee、informed consentなど)
✅ 対象
適格・除外基準(inclusion/exclusion criteria)
✅ 評価方法
評価項目(primary endpoint、secondary endpoints、safetyなど)
✅ 統計解析(sample size calculation、statistical testing、significance levelなど)
なお、過去に同様の方法を用いた研究報告がすでに発表されている場合(プロトコール論文、中間解析報告、サブ解析報告など)、下記のように記載することで、詳細な方法の説明を簡略化できます。
※必ず既発表論文を引用してください。
• We have previously reported the aims and protocol of the study [Reference]
• Details of the study design are described in the interim report [Reference].
• The main results of the study have been reported [Reference].
Briefly….(いずれの場合も、上記の文章のあとに、研究内容の概要を簡潔に記載します)。
『英文臨床研究論文の書き方』(電子書籍版)では、Methodsの各セクションで使えるフレーズ・例文を多く掲載しています。詳しくはこちらをご参照ください。