英文で推奨される段落構成として、各段落の主題を端的に表現した文(トピックセンテンス)を先頭におく形式があります。通常、日本語でとられる段落構成とは逆の論理展開となりますので、注意が必要です。
【例文】
In the previous open-label study of patients treated with Drug A, investigators rated the treatment as good or excellent for ≥85% of patients. In our study, favorable effects were also confirmed after the treatment with Drug A.
(薬剤Aを投与した患者を対象とした過去の非盲検試験では、85%以上の患者において、医師による評価が「良い」または「非常に良い」であった。われわれの研究においても、薬剤Aによる治療の良好な結果が確認された。)
上記の文章では、過去のエビデンスとの比較について述べられていますが、「過去の研究結果→本研究の結果」の流れとなっています。この段落の主題は、本研究の知見を過去のエビデンスと比較して述べることです。このため、英語では、「本研究で得られた知見→過去の研究結果」の流れとした方が好ましい構成といえます。
【トピックセンテンス活用後】
The beneficial results observed in our study are similar to those of the previous studies; in an open-label study of patients treated with Drug A, investigators rated the treatment as good or excellent for ≥85% of patients.
(我々の研究で確認された良好な結果は、過去の研究結果と同様であった。薬剤Aを投与した患者を対象とした非盲検試験では、85%以上の患者において、医師による評価が「良い」または「非常に良い」であった。)
上記の文章では、トピックセンテンスとして、まず本研究で得られた知見(主題)が述べられ、続いて、主題を支持する文章(サポーティングセンテンス)として、過去の研究結果が述べられています。この構成は、とくにDiscussionで使うと効果的です。