研究における倫理的配慮とその記載方法について、ICMJEのRecommendationsでは、Methodsの項目に下記の記載があります。
❝The Methods section should include a statement indicating that the research was approved by an independent local, regional or national review body (e.g., ethics committee, institutional review board). If doubt exists whether the research was conducted in accordance with the Helsinki Declaration, the authors must explain the rationale for their approach and demonstrate that the local, regional or national review body explicitly approved the doubtful aspects of the study. See Section II.E.❞
【要訳】
「Methods」では、当該地域や国の独立した審査機関(倫理委員会、治験審査委員会など)により研究が承認を受けた旨を記載する。研究がヘルシンキ宣言に従って行われたか否かに疑念がもたれる場合は、著者らはその方法をとった根拠を示し、懸念される側面について、当該地域や国の審査機関による明確な承認を得られていることを示さなければならない(II.Eの項を参照*)。
*II.E「被験者の保護」の項目では、以下の事項が記載されています(※要約のため、詳細は原文を参照ください)。
✅ヒトを対象とする研究は、ヘルシンキ宣言に従って行う。
✅研究の実施にあたって、当該地域または国の独立した審査機関(倫理委員会、治験審査委員会など)の承認を得る
✅ヘルシンキ宣言に従って研究が実施されたかどうか疑念がもたれる場合は、その方法をとった根拠を示し、懸念される側面について、当該地域や国の審査機関による明確な承認を得られていることを示す
✅患者のプライバシー保護の権利を尊重し、インフォームド・コンセントを得る
✅患者を特定する情報(氏名、イニシャル、患者番号など)は、これらの情報が科学的な目的のために不可欠であり、かつ患者(または親・後見人)から書面による掲載への同意が得られる場合を除き、掲載してはならない
✅動物を使用した研究を報告する場合、実験動物の管理と使用について当該施設および国の基準を遵守したか否かを記載する。動物研究における倫理に関する詳細は、International Association of Veterinary Editorsによる「Consensus Author Guidelines on Animal Ethics and Welfare 」を参照すること。
▶論文執筆に関する出版倫理と対策については、こちらもご参照ください。
▶『英文臨床研究論文の書き方』(電子書籍版)では、論文における倫理的配慮の記載例(英文 / 和訳)を紹介しています。詳しくはこちらをご参照ください。