投稿するターゲット・ジャーナルが決まりましたら、そのジャーナルの投稿規定に従って論文の形式を編集する必要があります。ジャーナルによっては、詳細にわたって規定が定められている場合があります。以下に、最低限確認が必要な要件・規定をまとめます。
● 文字数
多くのジャーナルでは、アブストラクト(例:250 words)や論文全体(例:3000 words)に対して文字数制限を設けています。また、図表数や文献数に制限がある場合もあります。論文執筆後は文字数や図表数の調整が困難になる場合もあるため、原稿準備段階で早目に制限を確認しておくことが望ましいです。
● タイトルページ
タイトルページでは、通常、論文タイトル、著者名と所属施設、連絡窓口著者の氏名と連絡先の記載が必要とされます。この他に、ジャーナルによってはサブヘディング、キーワード、論文の文字数の記載などが求められます。
● アブストラクトの構成
大きく構造化抄録(Structured Abstract)と非構造化抄録(Unstructured Abstract)に分かれます。構造化抄録では、Background, Methods, Results, Conclusionsなどのヘディングにより構造化された形式でアブストラクトをまとめる必要があります。非構造化抄録では、各項目に細分化することなく、一つの段落で要旨をまとめます。
● 引用文献
引用文献の記載方法はジャーナルにより異なる場合があります。とくに著者名をすべて記載するか、または省略するか(例:3名以降はet alとする)について確認し、ジャーナルのスタイルにあわせる必要があります。
● 利益相反に関する情報開示
利益相反に関する情報の記載方法はジャーナルにより異なる場合が多いです。詳細は「利益相反(Conflicts of Interest)の書き方」のページを参照ください。
● 提出フォーム
論文投稿時に、著者資格(Authorship )に関するフォームや利益相反(Conflicts of Interest)に関するフォームの提出を求められる場合があります。ジャーナルの所定のフォームがある場合は、ジャーナルのホームページからダウンロードのうえ、記載済みのフォームを投稿時にアップロードします。
● その他のガイドライン
いくつかのジャーナルでは、自誌の投稿規定に加え、試験デザインごとに定められたガイドラインを遵守することが求められています。該当するガイドラインの要件に沿っているかのチェックリストの提出が必要な場合もありますので、各ガイドラインの詳細をご確認ください。
・ランダム化比較試験→CONSORT
・観察的疫学研究→STROBE
・システマティックレビュー→PRISMA
・観察研究のメタ解析→MOOSE
・その他一般的な事項→ICMJEの統一投稿規定※
※ICMJEの統一投稿規定:医学雑誌編集者国際委員会(international Committee of Medical Journal Editors: ICMJE)により制定された生物医学雑誌への投稿に関する統一投稿規定。現在、多くのジャーナルが本規定の採用に賛同しています。