適切なジャーナルを選択することにより、論文のアクセプト率が高まり、研究結果をより速やかに発表することができます。論文の査読期間は、数週間~数ヵ月間に及ぶことがあるため、それぞれのジャーナルの特徴を知り、論文内容と照らし合わせて、最も適したジャーナルを選ぶことが重要です。下記にホームページから得られる参考となる情報をまとめました。

ジャーナルのホームページから得られる情報

Aim & Scope 

そのジャーナルが受け付けている論文形式(Original Article、Review論文など)や、対象とする領域(臨床、基礎、特定の疾患領域など)が示されています。一般的な論文投稿を受け付けず、Invited article(招待論文)のみを対象とするジャーナルもあるので、注意が必要です。

Impact factor / Acceptance rate

ジャーナルによっては、インパクトファクターやアクセプト率がホームページ上で公開されています。また、領域別のジャーナルにおけるランクが掲載されている場合もあります。

例)Kidney International
2011 Impact Factor 6.606*
Rank: 4/73 Urology & Nephrology
*2011 Journal Citation Reports® Science Edition (Thomson Reuters, 2012)

参考)トムソン・ロイター社のJournal Citation Reportsについて
トムソン・ロイター社が提供するJournal Citation Reports(JCR)は、インパクトファクターが収録されている学術雑誌評価のためのデータベースです。

Lead time

ジャーナルによっては、論文受付~査読~掲載までの平均所要期間が掲載されています。
例)Circulation
投稿~最初の結果まで:28日 アクセプト~掲載まで:77日

Fast track system

通常よりも優先して、短期間で査読を行うファスト・トラック制を採用しているジャーナルもあります。ファスト・トラック制を利用できる条件として、公表の緊急性が求められる論文であると判断され、ジャーナル側から申し出を受ける場合(例1)、また、著者側で別途費用を支払うことにより、優先的に査読を受けられる場合(例2)があります。
例1)The Lancet
投稿~査読~査読後リバイス:28日

例2)Allergy and Asthma Proceedings
$400にてFast track利用可能

Archives (Previous issues)

ジャーナルの発行頻度(毎月、年6回など)により、掲載される論文数を把握することができます。また、過去の掲載論文のタイトル、アブストラクトを参照することにより、掲載される論文の傾向や、同様の研究が取り上げられているか等の情報が得られます。

Article in press

ジャーナルによっては、印刷版の掲載に先行して、オンラインで論文を掲載しています。掲載待ち(in press)の論文の受理日を参照することにより、論文がアクセプトされてから掲載されるまでの期間の目安を知ることができます。ジャーナルによっては、掲載待ちが半年以上に及ぶことがありますので、ご注意ください

Open access / Online journal

購読者に限らず、すべてのユーザーに論文を公開しているオープンアクセスのオンラインジャーナルがあります。通常、査読~掲載期間が短い傾向があります。掲載時に、著者がオープンアクセス費用を負担する必要があります。
例)BMJ Open
オープンアクセス手続き費:£1200

※上記は2012年時点での公開情報です。最新の情報については各ジャーナルのホームページをご参照ください。

※投稿規定については、次頁を参照ください。

▶論文の執筆から投稿、査読対応、掲載に至るまでの手順とポイントを解説した「英文臨床研究論文の書き方」(電子書籍版)を作成しました。詳しくはこちらをご参照ください。